ブックレビュー:いちばんやさしいHTML5&CSS3の教本
2016年4月18日 12:22
「いちばんやさしいHTML5&CSS3の教本」とは?
新しいことをはじめる人に向けた「いちばんやさしい教本」シリーズ。業界で活躍している講師3人の指導のもとHTML5とCSS3を学び、初心者でも実習を通してWebサイトを作ることができるようになります。
Webサイトが表示される仕組みやブラウザ・エディタのインストール方法の解説から始まる、まさにはじめての人に向けた書籍ではあるのですが、最終章ではスマートフォン対応やSEO対策のような本格的な内容も紹介されています。
はじめてでも挫折しない学習書
表紙の「はじめてでも、挫折しません。」のコンセプトが印象的ですが、その秘密はワークショップ形式の学習書というところにあると感じています。
本書ではいきなりコーディングを始めることはしません。まず講義のページでWebサイト制作における知識や考え方、なぜそれが必要なのかを学んだあとで、実習のページで解説とともにコーディングを進めていきます。
私もよくあるのですが、はじめてのことはつまづいたときに「何がわからないのかがわからない」という状況に陥りやすいですよね。しかし基礎を先に学ぶというステップがあることで、実習での理解がより深まるだけでなくつまづいたらもう一度戻って読み返すという流れが自然とできるようになっています。
実習は効率の良いコーディングの仕方に沿った流れで、わかりやすくも現場で生かせるような知識が身につく点が魅力です。紙面の背景色が講義ページは淡い黄色、実習ページは白になっているというちょっとした違いも、学習する上で気持ちの切り替えにつながるやさしいポイントだと思いました。
基礎の大切さに気付く1冊
初心者だけでなく「HTMLやCSSの書き方は一通り理解している」という人にとっても良いきっかけになる本です。「はじめに」で、執筆者代表の赤間公太郎さんはこう語っています。
続々登場する新しい技術や、高度なテクニック、美麗な装飾などに目が行きがちですが、それらを採り入れるには「そもそも根底の部分がしっかり作られていること」が大前提になります。
基礎をきちんとするのは大切というのは理解しているつもりでいても、私自身普段Webサイト制作をする中で「自分は基礎を本当にきちんとできているのか?」と意識する機会はなかなかありませんでした。特にコーディングのような自己流になりがちな分野であれば尚更のことではないでしょうか。
既に知っていることを学び直すのは大変なことのように思うかもしれませんが、「人に教えるときはこんな教え方をするとわかりやすいのか」とハッとしたり、「感覚的にそういうものとして使っているけど、そういえばどうしてこうなるんだろう?」という普段は意識しないポイントが気になったり、新しい発見もあって楽しく読むことができるのではないかなと思います。
2016年4月18日 | NagayaMegumi|コメント(0)